通信21-31 人様のブログにお邪魔する

 随分と髪の毛もなくなってきたので、もうシャンプーなんてものもいらないんじゃあないだろうかと秘かに思っていたら、おお、とあるネット記事にシャンプーは毛髪を洗うためにあらず、頭皮を洗うためにあるものなりってな事が書いてあった。そうか、丁度シャンプーが切れかけていたんで、もうこれで終わりにしようかと思っていたんだが、頭皮がある限りシャンプーは必要だって事か。私がシャンプーを必要としなくなるのは、この頭がしゃれこうべと化した時なんだな。

 

 ならばと近所の市場にシャンプーを買いに出掛ける。別にシャンプーなんてどれを使っても同じだと思っている私にとっては「ヴィダルサスーン」であろうと「ちゃんりんしゃん」であろうとなんら区別もないが、どういう訳かいつも同じ物を使っている。どうでもいい事だが、私がいつも使うシャンプーは花王の「ご利益(私訳)」というやつだ。

 

 今、私が住んでいるあたりは大雨に見舞われている。雨をたっぷりと孕んだ黒雲の塊が次々と訪れるんだが、その黒雲と黒雲の間、微かに雲が薄くなり雨が休んでいる頃合いを見計らって素早く家を出た。そうして、ああ、やっぱり外は気持ちが良いねえなどと浮かれ歩き、いつの間に現れたのか、頭上を覆う黒雲からたっぷりと雨水を浴びせられ、シャワー一回分得したなどと嘯きながらずぶ濡れで帰宅した。

 

 雨脚を恨めしく眺めながら、遊びに行くのを諦め、ふとパソコンを立ち上げ、ブログでも書こうかなと頁を開くと、ん?そういえば気になっている事があるんだ。私は人様に比べ、かなり視力が弱い。自分のブログの記事を開いても、細かいところに目を配る事はない。うん、実は記事の下にある帯状の模様がずっと気になっていたんだ。顔を近づけてみると、いろいろな絵が並んでいるが、そいつが日によって入れ替わるんだ。一体どんなサービスなんだろうと思っていたんだが、今日、ルーペを使ってそいつをよく見てみると、あっ、これは私の拙文を読んで下さった方々からの何らかの意思表示なんだ。うん、それらしい事が書いてある。もしかしてこれ、アイコンとかいうやつ?恐る恐る触れてみると、おおお、その印を下さった人たちにブログに飛べるじゃないか。凄い、そうか、こうしてネットワークは拡がっていくのか。

 

 とりあえず順番に読んでみる。人様のブログを読むのは初めてだ。なんだろう、これ?カタツムリ?うん、カタツムリの方のブログ、おお、立派な書籍のご紹介だね。ホーキング博士の問答集?へえ、いいね、今年も電話子供科学相談室も終わりだし、うん、こいつは面白いかもしれない。ちなみに今、私の部屋から近所の高校が見えるんだが、その高校にはアインシュタイン博士が講義をした時の黒板がそのまま残っているらしい。

 

 鯨の絵をクリックすると、楽しいのに、なぜかちょいと哀し気な雰囲気を纏った随筆がでてきたぞ。ああ、いいねえ。ちょいと転ぶとたちまち韻文詩に流れ込んでしまうような感じの文章だね。こんな人が詞を書いてくれないかねえ。そしたら私もあまり手を付けなかったジャンル、歌曲が書けたかもしれないなあ。

 

 ペンギンの絵は、ん?これは凄い。まったく何が書いてあるのかも分からず、ただただ大いに恥じる。ああ、でもいいね。うん、一つ一つ噛み砕くように読んでみよう。確か私にもホームぺージってのがあるんだ。訳も分からず口出しするのは申し訳ないってんですっかり人任せにしているが、ちょいと勉強して、おずおずと口出しでもしてみようかな。

 

 ん?これなんだろう?妖怪?鬼太郎の住む妖怪横丁に棲んでいそうでもあるし、がちゃぴんやムックと戯れていそうでもある。ともかくこの未確認生物をクリックしてみると、おお、タンタロスのようにたちまち涎が溢れてくるね。おっ、博多の水炊き、華味鳥の情報も載っているぞ。実はこの華味鳥の工場、私の家のすぐ裏にあるんだ。この工場の事務のお姉さんたちは、よく町内の清掃に励んでおられるんだ。ともあれこのブログの情報、今後、大いに参考にさせていただこう。

 

 そしてこれは・・・?地面に映った人の影かな。恐る恐る開いてみると、おお、花火だ。花火がいっぱいだ。あっ、この花火、はっきりと花火が球体だという事がわかるぞ。これまで一度だけ真下から花火を観た事があるんだが、その時、花火が球体である事を知り、大いに驚いたんだ。うん、花火はやはり迫ってこなきゃあね。画面をゆっくりとスクロールすると、ほら、花火が生きているみたいだ。

 

 うん、年を重ねるうちにどんどん人との間が疎遠になってゆく私だが、時折はこうして人様の書いたものに興味を持って見るというのも良いかもしれないね。ともあれ、皆さま、すっとこどっこいな拙文をお読みいただいたのならば、心からお礼申し上げます。また、皆さまのブログにも伺いますので、何卒よろしくお願いします。

 

                                                                                                              2019. 8. 29.