2023-12-01から1ヶ月間の記事一覧

通信29-10 パイの中には二十六人の楽師たちが

1400年代の丁度半ば、ブルゴーニュで歴史に残る大宴会が催される。「雉の誓い」という名で知られるこの大宴会、しかしこの大宴会こそが見事に歴史の転換を教えてくれる。1453年、トルコによってコンスタンチノープルが陥とされる。つまり東ローマ帝国が滅び…

通信29-9 祭りに浮かれる阿保どもの一人になりたい

もう十年以上も前の事だと思う。渋谷のBunkamuraで開催されたブリューゲル展、そこで見た「阿保の祭り」、うん、私はその前から一歩も動く事ができなかった。そこに描かれた阿保共、こいつらは一体何をしているんだ。輪になって踊る者、とんぼ返りを打つ者、…

通信29-8 農村には農村の神がいた

久々にパンクしてしまった。ちょいと作曲に入れ込み過ぎたんだ。これを書き上げるまでは死ぬ訳にはいかない、うん、そんな新作のプランがこの私の中にもあるんだ。一週間ほど下書きに没頭していると、あれれ、随分と目が翳むじゃないか。おいおい、眩暈も酷…

通信29-7 人の眠りを妨げる楽器、それはもちろんシンバルさ

社会にじわじわと進出し始めた楽師たち。その彼らが主にどんな仕事に就いたかというと、やはり最初に思い浮かぶのは宮廷でのお勤めだろうね。楽師からもう少し範囲を広げるとジョングルールなどと呼ばれる芸人もいて、新しい音楽の出現に大きな役割を果たし…

通信29-6 音楽家たちの活躍が始まりそうな気がする

西暦1000年頃の事だ。農村部が深刻な人口増加に見舞われた。当時の農業は世襲制だ。長男以外は不要って訳さ。このまま農村に留まっていては埒が明かないってんで、次男坊、三男坊・・・は挙って都市部へと流れ込む。都会で一旗揚げようってなもんかね。そん…