2024-01-01から1年間の記事一覧

通信29-16 コンサートの始まり

歴史上最も古くから認められた観光都市ヴェネツィア、そこに坐するサン・マルコ聖堂、そこから新しい音楽の在り方が始まった。東ローマ帝国内の自治領であるヴェネツィアは自治領であるがゆえに、カトリック教会から自由な立場を取り続ける事ができた。 ヴェ…

通信29-15 商品としてのオペラの誕生

大胆、自由にしてどこまでも誠実、モンテヴェルディはまさにそういう作曲家だった。そしてそういう作曲家の出現がオペラという新しい様式を発展させたんだ。多分声高に理念ばかりを掲げる扇動家の連中にまかせていては、新しい音楽はできなかっただろうね。…

通信29-14 オペラの誕生

フランスの貴族が「ルネーッサンス」のなどと叫びながら、ワイングラスをぶつけ合ったのかどうかは知らないが、ルネサンス、ともかくその運動はイタリアより起こった。ちなみにルネサンスという言葉はフランス語だが、それは十九世紀のフランスの歴史家ミシ…

通信29-13 ○○家の馬鹿娘ですら初見で弾けた

ルネサンスの三大発明というと羅針盤、火薬、活版印刷だっけ?コロンブスが新大陸を発見し、コペルニクスは地動説を唱え、うん、新時代の到来さ。さあ、こうなると音楽もすっかり新しい時代の波に呑み込まれてゆく。例えば十数年ほど前にいろいろと話題にな…

通信29-12 とうとう聴き手が現れる

朝からぼんやりした頭でネットニュースを眺めていた。宝塚歌劇団の練習場では私語も、笑顔も禁止・・・。ん?この文言、どこかで見た事あるな。そうだ、中世後期、十二世紀から十三世紀にかけてのキリスト教会では私語も、それどこらか笑う事すらも禁じられ…

通信29-11 ああ 頭の中がコントラバスの音で一杯だ

頭の中で重低音がうねり続けている。年末からコントラバスのためのソナタにどっぷりと漬かり込んでいたんだ。街中で流れるジングルベルジングルベル鈴が鳴るとかいう浮かれ囃子も、私の頭の中ではたちまちコントラバスの音に変換された。コントラバス、いさ…