通信28-20 なんて一週間だ

 酷い一週間だった。これほど体調が悪い一週間を過ごしたのは初めてじゃないだろうか。とうとう一度も楽器に触る事も出来なかった。いや、一音符、文字の一個すら書かなかった。酷いストレスからだろうか、馬鹿みたいに感情は揺れ続け、正気を失う事もたびたび、ひたすら布団の中で七転八倒を繰り返す一週間だった。ところでこれは病気なんだろうか?病気だとすれば治るのか?これが病気などではなく、最早こういう人間になってしまったのだったら嫌だねえ。

 

 ともあれ、自分の感情というものをひたすら封じ込めて過ごしたここ十五年、それ以前の演奏をどういう訳だかネットに上げて貰った。久々のおぞましい自分とご対面ってな訳さ。いや、改めて聴いてみると、ひたすら聴いて下さっている方々に音楽をお届けするためだけに生きていこうとする強い意思を感じる。今?そうだね、もう人前で音を出す事も無くなった今は、ただただ善き隣人のためだけに生きていこうと思っている。

 

 それにしても十五年前の演奏を改めて聴くと、うん、なかなか複雑な思いが頭の中でじたばたするね。もし仮に私は後十五年生きながらえて、今の自分の演奏を聴いたらどう思うんだろうかね?ほうら、夏だというのに冷や汗がたらたらさ。

 

https://youtu.be/3461T7kqTaU