通信24-13 ルネサンス・調性の確立 音楽史外伝vol.4 告知

 ルネサンスのイメージ、うん、私ならばまず煌びやかさが浮かぶね。中世に対してルネサンスという時代区分が言われるが、底意地の悪い姑的に捉えるならば、中世というのが時代の名称なのに対して、ルネサンスは文芸運動、すなわち運動の名称という事になる。つまり後期、あるいは末期の中世を彩ったムーブメントがルネサンスという事になるんじゃないのかね。

 

 単なるイメージの話だが、ルネサンスが始まり、たちまち世界がモノクロの世界から一気に彩色されたように感じるのは私だけじゃあないだろうさ。実際に街を彩る絵画、うん、まさに革命的だね。正確な遠近法、そう、一点透視図ってやつ、それに始まり絵画は留まる事を知らないという感じで発展してゆく。それにしても絵画は良いよね。ダイレクトに作品が残っていてさ。音楽はどうかって?うん、解読するだけでも骨の折れるような、謎の呪文みたいな譜面がさ、ちらほらと残っているだけで、後は街の噂話と大して変わらないような伝承。でも、そこからじっと読み解いてゆくしかないんだ。

 

 それはともかく実際にあれこれ空想してみるのは楽しいねえ。ただ、その楽しさに呑み込まれてしまわれないようにする事だね。肝心なのは。大して役に立ちそうにない資料でも、ともかく数を集めるんだ。そうして集めた資料を、過去を見るように眺めるのではなく、その資料の中に潜り込んでそこから未来を見るように歴史を捉える。ああ、それができれば何とかなりそうな気もするんだけどね。

 

 昨夜は小品を一つ書き上げた。週末のお喋りに向けて。対話がグリコのキャラメルなら、小品はおまけって訳さ。うん、でも子供の頃はさ、本当におまけに心を躍らされたんだ。何とかそんな小品を書きたいと思い続けている。出来立ての譜面、そいつは今朝、相方の石原まりさんに送った。いつもぎりぎり、ほとんどぶっつけ本番って感じでこれまでやってきたからね。今回は前もって譜面に目を通していただこうって殊勝な気持ちで取り組んだんだ。

 

 という訳で、今週末は中世からルネサンスにかけての音楽について、回らぬ舌をじたばたとフル回転、あれやこれやとお喋りしますので、御用とお急ぎの無い方はどうぞご覧下さい。

 

                                                                                                       

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2020. 10. 13.