2019-05-01から1ヶ月間の記事一覧

通信20-24 あなたのお名前何てえの?

おフランス帰りのやつらには何となく苦手な感じを持つが、おフランス帰りを揶揄するように演じているやつらの事は好きだ。例えば「おそまつくん」という漫画に出てくる「イヤミ」。うん、こうして文字に起こしてみると、「イヤミ」って名前も凄いね。 作者、…

通信20-23 おフランス帰りと付き合うなら

今年のゴールデンウィーク、うん、しんみりした事が一つあった。一年半ほど前まで一緒に作曲の勉強をしていた女の子が、久々に会いに来てくれたんだ。ちょいとませくれてはいるが、根は可愛らしい、そして作曲のセンスがとても良い女の子だ。今はもう私の元…

通信20-22 異教徒の密かな楽しみ

数日前にこのブログで、カントとソナタ、つまり音楽は歌唱と器楽に分類されるとかいう事を偉そうに書いたが、実はそれは西洋音楽にとっては、単なる分類以上に深い意味を持っている。われわれが西洋の音楽の歴史のついて語るとき、その多くは宗教音楽の歴史…

通信20-21 沈鬱な朝

今日は朝からカール・フィリップ・エマニエル・バッハのソナタのレッスンを頼まれた。エマニエル・バッハ、うん、何やら問題の多い作曲家さ。われわれ二十一世紀を生きる人間からすると、何とも腑に落ちない音が所々に現れるんだ。ある時代にはセバスチャン…

通信20-20 闘病の記憶

私は咳とゴキブリが嫌いだ、などと宣言したところで、自分もそうだけどそれが何か?という冷ややかな答えばかりが返ってきそうだね。うん、ゴキブリはともかく、咳に関してはいささか自分の古傷を掻き毟られるような記憶があるんだ。 三年ほど前の事だ。私は…

通信20-19 一日の終わりに子守唄を聴く

ぼこっという音、そいつは机が上げた悲鳴さ。その悲鳴を耳にして以来、引き出しの上にキーボードを乗せて作業するなどという雑な事はしていない。机をよく観察してみてようやく気付いた事、それはいつもきちんと引き出しを閉めていなきゃあならないという事…

通信20-18 床屋はまだ私の事を見棄ててはいないらしい

もう何年も前の事だが、小説家中上健次の評伝が出た。そこに描かれた若き日の中上の姿、ひとまず作家としてデビューし、それから二作目を発表するまでの経緯は、かなりの読み応えがあるもので、すっかり引き込まれてしまった記憶がある。 今も続く、「文藝」…

通信20-17 引き出しがぼこっとね

作曲家などといっても、結局は職人としての色が強い。年寄りが杖にすがるように、長い年月を掛けてようやく手に入れた技に大いに依存しながら、日々の仕事をこなしているんだ。そんな職人たちの前に、新しい仕事のやり方、例えばコンピューターを使うなどと …

通信20-16 めがね型ルーペをみつける

さあ、お膳立ては整った、と言いたいところだが、キーボード、うん、ピアノの鍵盤みたいなやつ、そいつに不備が見つかったんだ。ともかくそいつを買い替えなきゃあならない。早速電器屋へ。いやいや、カタツムリみたいにそいつを担いで電器屋から出てくる自…

通信20-15 ぐだぐだしているうちにたちまち1702文字に

何となく浮かれた気分で過ごしているのは、うん、DTМの準備が整ったからさ。いくつかのパソコンソフトをインストールして、さあ、これからだ、そいつらを関連付けしなきゃあならない。それが嫌で、何となくぐずぐずと先延ばしにしていたんだ。いや、そいつは…

通信20-14 ゴム草履不足の時代があった

世の中をすっかり変えてしまったグーテンベルグの大発明、活版印刷は音楽の世界にも大きな影響を及ぼした。次々と譜面が印刷され、売り出されたんだ。誰が買うのかって?もちろん一般の音楽好きな素人さんさ。そうすると、大袈裟にいうならば職業音楽家たち…

通信20-13 バグパイプって何だか面白いよね

今年のどんたくで一番嬉しかった事はというと、バグパイプ隊に行き当たった事さ。別にそいつらを探して、うろうろと歩き回った訳じゃない。天神に向かっている途中、冷泉公園のそばで、偶然にすれ違ったんだ。一気に胸が高鳴るじゃないか。あの下品な、情動…

通信20-12 譜面を読むのって面倒臭いよね

ある時期を境に、音楽は加速度的に複雑さを増していった。ある時期?うん、そいつは記譜法というものが確立した時期さ。音楽を書き取る。その行為は、すでに存在する音楽への批評となる。 もちろん記譜というのは不完全な行為さ。例えば記譜されたものを、単…

通信20-11 音楽の盛大な宴会を享受してみたい

久々の雨の朝だ。別に好天に炙り出されたって訳でもないだろうが、ここ数日、大いに高いテンションで街を徘徊していた事を、まるで昔の事でも思い出すようにぼんやりと考えている。雨音を縫うように、時折、近くの高校からファンファーレの断片が聴こえてく…

通信20-10 にわとりのコスプレ?

張り切って家を出た。週に一回の鍼灸治療の日だ。何故に張り切っているのかって?うん、生命を掌る師でありながら、私のパソコンの師匠でもある、筑紫先生に新しいパソコンをお願いしているんだ。これまでのパソコンでのスペックでは到底DTМ、つまり作曲の…

通信20-9 アパート、その楽しげな小宇宙

あんなこといいな、できたらいいな・・・、日々、妄想中に頭を突っ込んで生きている私は、何故か自分に都合の良い事ばかり考えている。特に新しい商品を購入する際には、勝手に様々な機能を思い浮かべて、当然その機能が付いているものと決めつけて買う。そ…

通信20-8 街中の恐竜たち

二三日ほど、そちらの方に足を向けなかった。そちらの方?うん、取り壊されたショッピングモールの跡地の方さ。今日、数日ぶりにその前を通ると、あれ、防音壁が一部外されているじゃあないか。おお、跡地が丸見えだ。そこにあったすべての建物が無くなって…

通信20-7 三階のベランダまで綿毛が飛んできた

窓も網戸を開けっ放しのまま、ベランダに出て干した布団を叩いた。おお、凄い埃だ。視界が曇るじゃあないか。光化学スモッグも、PM2.5もかくやってな感じだね。と、ふらふらと力のない虫が飛んできたぞ。何だ?この真っ白い虫は。情けない飛び方をしやがって…

通信20-6 橋に住む人

好天だ。朝から博多駅に買い物に出掛けた。愛用の文具をまとめて買うために。うん、まったくご苦労な事だぜ。実は近所のショッピングモールが三月いっぱいで無くなってしまったんだ。これまで多くの用事をそのショッピングモールで済ませていた。今、改めて…

通信20-5 コンピューターと仲良しになりたい

今日のレッスンのネタにと頼まれた曲、そいつはヴィヴァルディの協奏曲だった。うううん、実はネタとしてはあまり嬉しくないんだ。バロックと呼ばれる時代に書かれた曲。このジャンルには頭の固い専門家がうようよいて、門外漢としてはいささか口を挟みにく…

通信20-4 まぐわ瓜ってどこに売ってあるんだっけ

朝っぱらから近所のスタジオに入り、ばたばたと暴れるようにサキソフォーンをさらう。いや、別に腹の奥深くに地層のように溜まったストレスを解消しようって訳じゃない。ただ楽器を操るために必要な筋力が落ちてしまうのが恐いんだ。馬鹿丸出しで浪花節をう…

通信20-3 別れの、その訳は

膝が笑うという言葉があるが、今、私の膝は苦笑いを続けている。いや、膝だけじゃないさ。足全体ががくがくになっているんだ。ああ、ちょいと歩きすぎたね。ここ数日。どうやら歩く事に対して大いに鬱憤が溜まっていたみたいなんだ。春先、足を痛めた。肉離…

通信20-2 音楽の歴史ってやつとどう付き合ってゆこうか

半年近くもこっそり引きこもって何をしていたのかというと、うん、文章を書く練習をしていたんだ。何とか面白い文章を書けるようになれないかなあなどと、指をしゃぶりながら、時にはへらへらと薄ら笑い、鉛筆なめなめ、いや、今時鉛筆何てものは使わない、…

通信20-1 ぽりぽりとかりんとうを齧りながら

街は「どんたく」とやらで大いに浮かれている。世間では元号が変わって、うん、確か令和とか言うんじゃなかったっけ。いや、何という元号になろうと知った事か。私の馬鹿っぷりは何も変わらない。なにしろ昭和、平成を通して貫き続けた筋金入りの馬鹿なんだ…